どっちが本当??合気道は痛い?痛くない?

現代において合気道は非常に多くの種類があります。

そして合気道道場を探す中で必ず目に入る言葉が

「痛くない 合気道」

果たして、これはどういうことでしょうか?

関節を極めているのに痛くない?極めないから痛くない?

今回はこれに関して少し考察してみようかと思います。

前提として

合気道自体は「大東流合気柔術」という柔術から派生した武道です。

大東流合気柔術の歴史は諸説ありますが、ほぼ間違いないのは刀を帯刀している時代には存在していたようなので、少なくとも武器を持った相手に対して、またはこちらも武器を持っている状態で相手を無力化(無力化した後にどうするのかは置いておいて…)する技術です。

なので、技術としては殺傷能力が確実にあるものです。

その大東流合気柔術を明治時代に各地で教授していた武田惣角の弟子、植芝盛平が大本教という宗教の思想とミックスして、生まれたものが「合気道」となります。

一応宗教思想が含まれるので殺生については厳しくなりますので、危険な技が排除されて、また世間的に広く普及させるために女性や子供、年配の方にもできるようにソフト化された技が多く用いられるようになったことでしょう。

そして同じ合気道からも方向性の異なるものを追求していった結果、合気道は一つの武道ではなく現在となってはジャンルを指すものになっています。

ただし、共通しているのは柔術(関節技・絞め技等)がベースとなり、定義はその道場ごとに異なりますが「合気」という技術を用いている、ということです。


本題

上記で、

・柔術ベース

・相手が、もしくは相互に武器を持った相手を無力化する技術

という点を挙げましたが、常識的に考えて武器を持って命のやり取りをする上で、

相手の痛みを考慮する必要はあるのでしょうか?

もちろん日本の武術の多くは神武不殺(基本的に殺さない)を是としているということはありますが、痛みに関しては特に咎めていません。

であれば大東流合気柔術から派生した合気道も技術的に殺傷能力自体は間違いなくありますので、普通に技は痛いのです。


では何が「痛くない合気道」なのか?

「痛くない」を成立させるためにはいくつかの条件を満たす必要があると考えられます。


①大きな関節(体に近い関節)を極める

基本的に合気道は互いに立った状態で関節を極めるので、この状態で極められる大きな関節は主に肘と肩になるでしょう。

体験してみると分かるのですが、肘や肩の関節って手首や指の関節と比べて曲がらない方向に曲げても痛みを感じづらい(感じるまでの余裕がある)わけです。

うつ伏せに伏せられて肘や肩を極められると痛みより先に「動けない」という現象が起こりやすい感じですね。

もちろん個人差によって痛みを感じる角度などは変わりますので万人が同じというわけではありませんし、可動域以上に関節を極めたりすれば大抵の方は痛みを感じます。


②痛みから逃げられる方向に技を掛ける側が誘導している

忖度しているという意味ではありませんよ。

人間は痛みを感じると大体反射的に痛くない方向に逃げたくなります。

上から関節が折れる方向に抑えられていたら下に向かって自分から動くような感じでしょうか。

それを利用して痛みを感じないギリギリのところまで関節を攻めて相手が逃げる方向(技を掛ける側がそちらに動く様にコントロールしている)に最終的に動けなくなるまで行うと痛くないけど動けない、という現象が発生します。

これは①のように体に近い関節ではなくても使用可能な技術だと感じています。

ただ、こちらの技術は①よりも繊細で、相手の動きに合わせないと痛みを感じる範囲に簡単に入ってしまいますし、技が外れる方向に逃げられてしまうと技自体が成立しなくなるので結構熟練が必要な技術と言えるでしょう。


③関節を極めない

やり方次第ですが、関節を極めなくても関節自体や関節以外の部分(筋など)に作用する技を掛けることも出来ますので、あまり痛みを伴わない技も十分使うことが出来ます。

また、合気道の技術は何も関節技だけではなく、投げ技(と言ってもあまり柔道の様な感じではないですが)の一種に「入身投げ」という技術があります。

ざっくり説明すると相手の側面などの死角に自分の身体を置き、相手の身体の重心から遠いところを動かして(または固定して)相手を倒す技術です。

この技はあまり関節を極めて行うことは少ないので受身を取れる方なら硬い床や地面でなければ痛みはほぼありません。



細かく書きすぎるとキリが無いですし、私に絵心が無いため図で説明できないのが非常に心苦しいため、一旦ここまでで区切ってまとめておこうと思います。


結論

・合気道の技は基本的に痛いもの

・ただし痛みを与えない、もしくは与え辛い技術が存在する

 (全ての合気道流派における共通技術ではない)

・痛くない技やテクニックを使ったとしてもやりすぎれば痛い

 (必要以上に力を使ったり相手の反射速度を超えた速度で技を掛けるなどした場合)


といった感じです。

個人的に痛くない技が出来るから、出来ないからと優劣があるわけではないと思いますので、学んでみたい方の好みでどういった道場かを選んでみるのが良いのではないでしょうか?

少なくともどういう意味で痛くないか、どう痛くしないかは各合気道の流派次第でもありますので、一概に全てが当てはまるわけではないということは遅ればせながらご承知おきください。


ただし、痛くない技が特定の人でないと再現できないような現象(超能力・霊能力など)であれば護身を求めるうえではオススメできません。

そういったオカルティックな方向性を望むなら止めはしませんが、多くの現象が物理学の通用する世界にいる以上は物理的に可能な技を行う道場をオススメ致します。


ちなみに優武館は基本的に痛い技をある程度知ってから、

どうやれば痛くしないで出来るかを検証するような稽古方法を将来的に取っていきますので

努力次第では誰でもどちらも出来るようになれるのではないかと思います。

「痛くない」を追究してみるのも楽しいですよ。





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