さあ、文章化してみよう
写真、動画…現代になったからこそ技の形の伝達は簡単になりました。
しかし撮影技術や映像技術の未発達であった昔は直接習う技術と口伝以外は目録という名称で巻物などが作られ文字媒体としてその内容が伝承されてきました。
ですが…これがまた難解なものが多いんです。
逆を言えば、それが流派としての秘匿性を高めているとも言えますが。
では、早速皆さんに問題です。
この文章で表されている技は何でしょうか?
この技は大東流柔術秘傳目録という大東流合気柔術における巻物に書かれている技で、座った状態から行う座捕という分野となります。
流派によって名称が異なりますが、おおよそ思いついた形が同じであればOKです。
受:右ニテ打出シノヿ
掛:左ニテ敵ノ臂ヲ上ゲ右ニテ敵ノ手首ヲ右二返スヿ
ちなみにヿはコトと読みます。
縦書きで記載される際のカタカナのコとトの略字だそうです。
・
・
・
・
・
・
さて、どうでしょうか?
多分、合気武術系の未経験者は分からなかった方が多いと思います。
逆に合気道や大東流合気柔術の経験者はピンときた方はいるのではないでしょうか?
多くの合気系武道の道場では半年くらい所属していればこの技の立ち技バージョンは必ず一度は目にするでしょうし、習うこともあるのではないのでしょうか?
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
では答え合わせです。
この技は
一般的な合気道で言うところの「正面打ち一教」
大東流合気柔術(大東館・琢磨会系)でいうところの「一本捕」
の解説であるとされています。
分からない方のためにざっくり説明しますと、
互いに正座で向かい合った状態で、
技を受ける人:右手の手刀を技を掛ける人の頭上に向かって振り下ろす
技を掛ける人:腕が振り下ろされる前に左手で受けの人の右肘を押えて右手で受けの人の右手首を掴んだ状態で自分の右前方に押さえ込んで取り押さえる
というものです。
多分YouTubeでも普通に見ることが出来る技ではありますがあえて動画で説明していません。
これだけの文字情報でどんな技か分かった方は何人いらっしゃいますでしょうか?
打撃系の武道や格闘技よりも動きが複雑な合気道等の柔術系の技を文章の情報として表現するのは非常に難しいのです。
それが文章のエンターテイメントで合気道が使われにくい要因の一つではないかと感じています。
ですが、チャレンジングなことほど面白いと思いませんか?
もし創作者の方がご自身の作品に合気道を使いたいと思い、文章化してみようとチャレンジするのであれば筆者は創作者さんに全面的に協力しますので、ぜひやってみてはいかがでしょうか?
お問い合わせは事務局(050-5375-4427)までお電話いただくか、体験申込フォームへご連絡用メールアドレスとその旨を記載して送信ください。
0コメント