不殺の杖
鬼は滅しません( ゚Д゚)
あまりメジャーではありませんが、合気道において「杖術(じょうじゅつ)」という武器術が存在します。
ちなみに杖術自体は流派がいくつもありますが、合気道で行う杖術は合気杖という言い方をします。
今回は優武館で学ぶことが出来る合気杖について簡単に紹介しようと思います。
「杖」は127cm前後の樫の丸棒を使用した、まさに「つえ」の形状をしています。
この杖を使用して「突く」「打つ」「払う」「投げる」「(関節を)極める」などの大きく5つの動きを行います。
突く:杖の端から端もしくは途中まで槍の様に持って先端を相手に突き出します。
打つ:杖の片側4分の1あたりを剣のように持ち、相手に対して打ち込む動きです。
払う:剣の持ち方や端から中間程度を持って相手の足元を薙刀の様に振り払います。
投げる:杖同士の場合に相手の両腕の間に杖を差し込んで腕に絡めて投げたり、自分の杖を掴まれた場合に自分の身体を転換して投げを打ったりします。
極める:相手に杖を掴まれた場合に操作して相手の腕に絡ませて関節を極めたり梃子を作って関節を極めます。
杖って剣や槍の良いところを取っているし、銃刀法には当たらないし、その辺の箒やモップの柄でも使おうと思えば使えるしかなり便利な技術なんじゃないか!?と当時杖術を初めて習った私は感じました(笑)
何より刃物とは違い殺傷性が低いので護身的にはもってこいな武器なんですよね。
現時点で優武館にて学ぶ場合は合気道の体術と同様に主に型稽古で杖の操作や体の動かし方を学ぶことを行います。
合気道と同じような足さばきや体の使い方が多用されるので併修すると非常に面白いと思いますよ(´▽`)
実際問題、武器の使い方(特に棒状の長物)はある程度知っておいた方が体術のみの護身術を学ぶよりも万が一の際に自身の生存確率を上げることが出来ます。
特に力の弱い女性や年配の方は尚更学んでおいて損はないかと思います。
例えばナイフを持った相手と不意にかなり近い距離で遭遇してしまった場合に素手で身を守るのは本当に最終手段でしかなく、わざわざ自分から素手で立ち向かうのは愚行以外の何物でもありません。
可能であれば相手よりも長物を持って相手と十分距離を取りつつ、相手の得物を叩き落すかダッシュしても追いつかれない十分な距離を取ってから逃走するかが良い選択肢と言えるでしょう。
以前私は、護身術は保険と同じようなもの、という発言をTwitterかブログのどちらかで発信したのですが、護身用の体術と武器術を自動車保険で例えるのであれば
体術:自賠責
武器術:任意
という感じかな、と思っています。
自分の身を守らなければいけない環境にいる限り体術は必須事項として学び、更に生存確率を上げるために武器術を学ぶ、といった感じですね。
確かに警察に通報すれば対人的な危険に対しては何とかなるかもしれませんが、通報できる時間があるとも通報してくれる人がいるとも限りません。
そして運よく通報できたとしても警官が自分の元に辿り着くまでどれだけ時間が掛かるか分かりません。
場合によっては数十秒あれば相手にとって用は足りてしまうかもしれません。
そんな運ゲーをするくらいなら最低限自分の身を守る技術くらいは身に付けておいても損はしませんよね。
相手に殺されず、相手を殺さず、自分を生かすために武道を学んでみませんか?
神武不殺
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